実績・コラム
編集長の名言集
- #コラム
出版社の某N社から依頼を受け
取材記事の執筆をしています。
今年、始まったばかりの新参者のわたし。
編集長から学ぶことがたくさんあります。
その中で、特に印象に残ったことをお伝えしたいと思います。
最初の面談の時、編集長は
事前に届けていた「過去の私の記事」の感想をおっしゃいました。
「あなたは企業よりの記事を書くんですね。
私たちは読者目線の記事を書きます」
誰がクライアントかによって、書き手の立ち位置が変わります。
掲載する媒体によって、書く意図が変わるというのでしょうか。
今までのご依頼は、
企業や個人事業主がクライアントばかりでした。
ですから、
”クライアントの意思や素晴らしいところを、クライアントのお客さまに伝わるように書く”
ということを主眼に置きます。
編集長の言葉は、まさにその通りで、
私の書いている意図が見透かされていました。
いい悪いの話ではないのですが
私は、頭に鉄のフライパンでも落ちてきた、かと思うほどの衝撃を受けました。
「読者目線って、読者目線って、私だってそう思って書いているのに……」
心の中で、そんな言葉が響き渡りました。
お恥ずかしいのですが、
編集長のあの言葉がなければ、
「今までと立ち位置の異なる新しい仕事」
を意欲的に取り組もう、とは思わなかったかもしれません。
ある時、原稿を入稿したら、
こんなフィードバックが返ってきました。
「かなり修正していますが、
こういうタイプの記事には正解はないですし、
媒体のスタイルもあるので、
あまり気にしないでくださいね」
完成された原稿を読むと、確かに修正されています。
より見やすく、より読みやすく。
それを読みながら、
「ああ、ここまでやっていいんだ」
「こういう風にすると、読みやすいなぁ」
などの感想が出てきました。
修正されるのはこの仕事をしていると、
ごく普通のことなので、
そこに対する負の感情はありません。
それでも、編集長の配慮ある言葉に、じーーんときました。
同じ書き手だからこそ、理解しあえる部分なので
修正に対する配慮はなくてもいいのです。
ですがその一言で、
私の緊張はほぐれ
次のやる気にも繋がったのです。
そして何より嬉しかったのは、
私が一番伝えたいと思っていた部分と、
文章の骨子は何も変わっていませんでした。
今の私にはそれだけで充分です。
「文章に正解はない」
これも新しい発見でした。
だからこそ、挑戦するに価する素晴らしい仕事。
編集長は私の心に、新たな灯火をつけてくれました。